ここではラズパイをベゼリーにつなぐ前にやっておくことを説明します。
「そもそもラズパイって何?」というかたは、まずこちらをご覧ください。「ラズパイとは?」
用意するもの
- Raspberry Pi
- ラズパイ本体にも種類がありますが、最新機種「Raspberry Pi 3 model B」がお勧めです。商品名には「model B」と書いてありますが、現状ラズパイ3は「model B」しか存在しません。
- RS Components社製(Made in UK)と、element 14社製(Made in China)があります。後者のほうが安いですが、とくに不具合報告も聞かないので大丈夫だと思います。
- 旧機種は性能が低いわりに割高だったりするので、新規購入はお勧めできません。
- Raspberry Pi用カメラ
- 新機種「Raspberry Pi Camera module V2」がお薦めです。旧機種「V1」に比べると画素数が500万から800万に増え、焦点距離も35㎜相当から29mm相当に広角化しています。
- micro SDカード
- SDカードにはいろいろな大きさがありますが、ラズパイに刺さるのは「micro」SDカードなので買うとき注意してください。容量は8Gでも足りますが念のため16GB、スピードは最速のClass 10がお勧めです。
- OS(ラズビアン)がインストール済みのSDカードも販売されていますが、OSは頻繁に更新されるため、高いお金を払っても結局購入後に自分でアップデート作業を行うことになります。
- AC アダプタ, microUSBケーブル
- ラズパイ2は1A(アンペア。電流の単位)でも動作しましたが、ラズパイ3は2.5A以上の電源が推奨されています。普通のACアダプタの最大電流は0.5A(500mA)程度なので、使えないと考えたほうがよいです。iPadなどタブレットの充電に対応したACアダプタであれば、たいてい最大電流が2.4Aなので使えます。推奨電流より0.1A足りないのですが、問題ないようです。
- LANケーブル、またはWiFiドングル
- ラズパイ3はWiFiを内蔵しているので、これらは不要です。ラズパイ2の場合はWiFiドングルがお勧めですが、LANケーブルで有線接続してもよいです。WiFiドングルには相性があるので、購入する場合はRaspberry Piで動作確認されたものを選んだほうが無難です。
- キーボード、マウス
- パソコン用のUSB接続タイプのものが使えるので、わざわざ新しく買うこともないでしょう。
- ディスプレイ
- HDMI入力端子のあるパソコン用ディスプレイやテレビが使えます。ラズパイのHDMI出力端子とつなぐためのケーブルも必要です。HDMI端子が無くても、HDMI出力を入力するための変換アダプタや変換ケーブルがあればつながります。
- ラズパイに直接つなげる専用ディスプレイはちょっと高価ですが、コンパクトなケーブルでつながりますし、タッチセンサーつきなのでマウスも不要になり便利です。
- 各社から発売されているHDMI接続の5インチTFTディスプレイ(感圧タッチパネルつき)は、ちょっと設定が面倒ですが、コンパクトなのでお勧めです。
- スピーカー
- ラズパイのミニジャックにスピーカーを接続することができます。ただしボリュームが小さいので、アンプ内蔵型(アクティブ型)スピーカーを使ったほうがよいです。スピーカーを持ってない人は、とりあえずヘッドホンやイヤホンで代用してもよいと思います。
- HDMI接続したテレビや、USBスピーカー、BlueToothスピーカーからも音を出すことはできますが、音の出力先の切り替えはちょっと複雑なので、このマニュアルでは詳しく説明しません。余裕があるひとだけ挑戦してみてください。
- パソコン
- インターネットに接続できるパソコンが必要です。
- NOOBS(後述)をダウンロードし、micro SDカードに書き込む際に使います。SDカードのスロットが無いパソコンの場合、micro SDカードに対応したカードリーダー/ライターが必要になります。
OS(ラズビアン)のインストール
- WindowsやMacなどのパソコンにSDカードをセットして作業します。
- SDカードをフォーマット
- 買ったばかりのSDカードであれば、たいていはフォーマット済みなので、この作業は不要です。別の用途に使ったSDカードを使いまわしたり、フォーマットされてないSDカードを買った場合はSDカードをパソコンに刺して、「SDカードフォーマッター」を使ってフォーマットしてください。
- 「NOOBS」の準備
- OS「Raspbian(ラズビアン)」を簡単にインストールするためのツール「NOOBS」をラズパイ公式ページからダウンロードしてください。
- ここで「NOOBS Lite」をダウンロードすることもできますが、ただの「NOOBS」のほうを選んでください。(「Lite」はラズパイ側がネットワークに繋がっていないとインストールできません)
- ダウンロードボタンは「Torrent」と「ZIP」の2つがありますが、「ZIP」版のほうをクリックしましょう。「Torrent」版を使うには専用ソフトが必要なので。
- ダウンロードしたファイルはZIP形式で圧縮されているので解凍してください。Macの場合はダブルクリックするだけでアーカイブユーティリティが起動し、解凍されます。Windowsの場合はファイル名にカーソルを合わせて右クリックするとコンテキストメニューが開くので「すべて展開」を選んでください。
- 解凍すると「NOOBS_(バージョン番号)」という名前のフォルダーができますので、「このフォルダーの中身」をまるごとSDカードのルートディレクトリにコピーしてください。(フォルダーごとコピーするのではなく、フォルダーの中身だけをコピーします)
- OSのインストール
- SDカードをPCから抜いてラズパイのカードスロットに刺してください。
- ラズパイにキーボード、マウス、ディスプレイを接続してください。
- ラズパイに電源ケーブルを刺すと、電源が入ります。(ラズパイには電源スイッチがありません)
- noobsの画面が表示され、インストール可能なOSのリストが表示されます。「Raspbian」にチェックマークを入れて、画面左上の「Inatall」ボタンをクリックしてください。なお、画面の下で言語を選ぶことができますが、英語のままにしておいてください。日本語化はあとでやります。
- 本当にいいのか?と確認メッセージが出るので「はい」と答えてください。
- 以降、指示に従っていけば、20分ぐらいでインストールが完了のメッセージが表示されます。ここでOKすると、自動的に再起動され、デスクトップ画面が表示されたら成功です。これがラズビアンのX Window Systemの画面です。
ラズビアンの基本設定
- 「Linux系OSに触るのは生まれて初めて」というかたは、まずこちらをご覧ください。「ラズビアンとは?」
- ネットワークに接続
- ラズパイ3の場合はWiFiを内蔵しているので簡単です。画面上端のwifiアイコンをクリックすると、接続可能なネットワークのリストが表示されますので、つなぎたいものを選んで暗号化キー(パスワード)を入力すればつながります。
- 無線LANが無くても、LANケーブルをつなげば有線でインターネットにつながります。
- wifiドングルを使う場合はUSB端子にwifiドングルを刺してリブートするとwifiがつながるはずですが、相性が悪いとつながらないこともあるようです。
- アップデート
- 画面上部タスクバーの左側にあるディスプレイの形をしたアイコンをクリックし、LX Terminalを起動します。
- ウィンドウが開いて以下のようなコマンドプロンプトが表示されると思います。
-
1pi@raspberrypi: ~$
- OSを最新の状態にアップデートするため、以下のコマンドを順次実行(キーボードから打ち込み、リターンキーを押す)してください。
-
123sudo apt-get updatesudo apt-get upgradesudo rpi-update
- sudo apt-get updateはOSのアップデートを調べ、sudo apt-get upgradeはアップデート情報をもとにOSをアップデートします。sudo rpi-updateはファームウェアのアップデートです。
- 「本当にいいの?」的なことを聞かれるたら「y」と答えてください。
-
- 画面上部タスクバーの左側にあるディスプレイの形をしたアイコンをクリックし、LX Terminalを起動します。
- 日本語化
- 日本語フォント「fonts-takao」と、Google日本語入力のオープンソース版である「iBus-mozc」をインストールするため、下記のコマンドを実行してください。
1sudo apt-get install fonts-takao ibus-mozc - x window systemに戻り、日本語が使えるようにOSの設定を変更します。
- LX Terminalのウィンドウはウィンドウ右上の「X」ボタンをクリックすることで閉じることができます。
- 画面左上のメニューアイコン(ラズベリーの絵)をクリックし、「Preferences」→「Raspberry Pi Configration」を選んでください。
- 「Localisation」タブで「Set Locale」を「ja (Japanese)」「JP (Japan)」「UFT-8」
- 「Set Timezone」は「Japan」、「Set KeyBoard」は「Japan (Japanese)」、「WiFi Country Code」も「JP Japan」を選びます。
- 再起動しますか?と聞かれるのでYesと答えれば、日本語化の設定は終了です。
- 画面上部タスクバーの右側にある「US」アイコンをクリックし、「日本語」に切り替えた状態でキーボードの漢字キーを押すと、かな漢字入力ができるようになります。メニューの「アクセサリ」に「Text Editor」がありますので、日本語入力を試してみてはいかがでしょうか。
- 日本語フォント「fonts-takao」と、Google日本語入力のオープンソース版である「iBus-mozc」をインストールするため、下記のコマンドを実行してください。
Tips
- 特にラズパイ 3はボード表面が熱くなりますので、引火や火傷に注意してください。専用のケースに入れたり、ヒートシンクやファンで冷却するのも良いでしょう。
- ラズパイ 公式ディスプレイの組み立てと接続方法(株KSY)
- 画面表示を逆さまにしたい場合は、「/home/boot/config.txt」に以下の1行を追加して再起動ください。
-
1lcd_rotate = 2
-
- 画面表示を逆さまにしたい場合は、「/home/boot/config.txt」に以下の1行を追加して再起動ください。