ラズパイを直接いじってみる

今まではラズパイ(ベゼリー)にブラウザからアクセスして設定をいじるだけでしたが、ベゼリーを使ってもっといろいろやってみたくなったら、ラズパイの直接操作に挑戦してみましょう。すでにラズパイを使ったことがある人にとっては簡単すぎるかもしれませんが、初心者のかたを対象にして基本的な手順を説明します。

①機材を用意する

キーボード、マウス

・パソコン用のUSB接続タイプのものが使えるので、わざわざ新しく買うこともないと思いますが、あえて買うならタッチパッドがついたものを選ぶとマウスが不要なので接続が楽です。

マイクロソフト キーボード ワイヤレスAll-in-One Media Keyboard N9Z-00029
Logicool ロジクール ワイヤレス タッチキーボード K400pBK

ディスプレイ

・HDMI入力端子のあるパソコン用ディスプレイやテレビなら簡単につながります。HDMI端子が無くても、HDMI出力を入力するための変換アダプタや変換ケーブルがあればつながります。美しい表示とは言えませんが、HDMI入力が可能なカーナビ用モニターなら安いですし、ちょっとしたプログラミングなら十分です。

DBPOWER バックモニター 7インチ

・ラズパイに直接つなげる専用ディスプレイはちょっと高価ですが、専用ケーブルでつながるのでコンパクトですし、タッチセンサーつきなのでマウスも不要です。

Raspberry Pi 公式 7インチ タッチスクリーン ディスプレイ

・各社から発売されているHDMI接続の小型(5インチ程度)TFTディスプレイは、ちょっと見にくいですが、コンパクトなところが魅力です。タッチパネルもついてますが、感圧式なので精度はそこそこです。

SainSmart HDMI 5インチ タッチスクリーンディスプレイ

・ラズパイのHDMI出力端子とつなぐためのケーブルも必要です。小さなディスプレイを使う場合は、細くて軽くて短いケーブルがお薦めです。

エレコム HDMIケーブル スーパースリム 0.7m

無線LAN環境

・ラズパイ3は無線LAN機能が内蔵されてますので、無線LANのアクセスポイントだけ用意してあげればインターネットに接続することができます。自宅に無線LAN環境が無いというひとは、無線LANルータを用意してください。

②ラズパイにあれこれ接続

・ラズパイにmicro SDカードを挿入してください。
・ラズパイにキーボード、マウス、ディスプレイを接続してください。
・電源ケーブルを刺し、コンセントに接続すると電源が入ります。

③ラズパイを通常状態で起動する。

・ブラウザからべゼリーにアクセスし、TOPメニューの開発者向け機能から「プログラムを停止し・・・再起動」を選んでください。

・30秒ぐらい待つと、ディスプレイに下記の画面が表示されるはずです。
今後はラズパイを再起動したり電源を入れ直したりしてもブラウザからアクセスできなくなります。購入時の状態に戻したくなったら、コマンドラインから下記のように入力してください。

④ラズパイをネットワークに接続する

・下の写真がラズパイのデスクトップ画面です。X Window Systemとか、PIXELとも呼ばれます。
・最初に無線LANを接続してみましょう。画面右上にある波紋のアイコンを左クリックします。

・すると下記のように周囲の無線LANアクセスポイントが表示されますので、接続したいものを選んで、Pre Shared Key (暗号化キー、パスワード)を入力すればつながります。

・ちゃんとインターネットにつながったかどうか確認するため、ブラウザを起動してみましょう。パソコンに比べるとラズパイは動作がゆったりしてますので画面が表示されるまで気長に待ってあげてください。

・ブラウザのURL入力欄に、たとえば「bezelie.com」と入力してみてください。

⑤パソコンから遠隔操作してみる

・パソコンをもっているなら、ネットワークを介してパソコンからラズパイを遠隔操作することができます。使い慣れたパソコンのディスプレイやキーボードを、ケーブルを抜き差しすることなしに使えますので便利です。でも必須ではありませんので、興味ないひとは読み飛ばしてください。

ラズパイのIPアドレスを確認する

・ラズパイをインターネットに接続した状態でデスクトップ画面の右上にある、「VNC」と書かれたアイコンを左クリックしてください。VNC (Virtual Network Computing)は、コンピュータを遠隔操作するための機能の名称です。

・下記のようにウィンドウが開きますので、緑の丸で囲まれた数字をメモるか記憶するかしてください。これがラズパイのIPアドレスです。IPアドレスとは、インターネット上の住所のようなものです。インターネットには様々な機器が接続されてますので、特定の機器と接続するためには相手の住所を知っておかなければならないわけです。

パソコンにVNCビュワーをインストールする

・ 次にパソコン側にラズパイに接続するためのアプリ「RealVNC Viewer」をインストールします。ブラウザからREAL VNCにアクセスしてください。ちなみに「Real」以外のVNCアプリは他にもいろいろあるのですが、互換性がないので必ず「Real」をインストールしてください。

・Download VNC Viewerをクリックし、デフォルト設定のままインストールを完了してください。

・インストールが完了したら、VNC Viewerを起動します。

・機能紹介が表示されますので「GOT IT(了解)」をクリック。

・「VNCサーバーのIPアドレスを入力してください」と言われるので、さきほど調べたIPアドレスに「:5901」をつけて入力します。たとえばIPアドレスが「192.168.10.12」だったら、「192.168.10.12:5901」と入力します。「5901」というのはVNC Serverがデフォルトで使っているポート番号です。変えたければ変えることができます。

・接続が開始されます。

・初めて接続する場合は、以下のような確認画面が表示されますが、Continue(続ける)をクリックします。

・認証情報を入力してくださいと言われるので、ラズパイのユーザーネームとパスワードを入力します。初期設定から変更していないのであれば、ユーザーネームは「pi」、パスワードは「raspberry」です。

・ラズパイの画面が表示されたら成功です。ちょっと反応が遅いと思いますが、パソコンのキーボードやマウスを使ってラズパイを直接操作することができるようになります。

・2回目以降は前回の接続情報が記録されているのでIPアドレスをいちいち入力しなくても接続できるようになりますが、IPアドレスはときどき自動的に変わってしまうものなので、ご注意ください。


Tips

・WindowsにiTunesがインストールされている場合やmacの場合は、IPアドレスの代わりに「raspi.local」と入力するだけでアクセスできます。これはパソコン側にインストールされているBonjourと、ラズパイ側で動作している「Avahi」デーモンが連携することによって動作している機能です。